飯島国際商標特許事務所
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ハッシュタグと商標権侵害(大阪地裁判決)

2021-10-13

2021年9月27日、大阪地裁は、メルカリ内でハッシュタグ「#」に続けて他人の商品の名称(他人の登録商標)を表示し、自作の商品の販売等を促進する行為について、商標権侵害に該当する旨の判断を示したとの報道が話題になっています。
従来からハッシュタグ「#」に続けて他人の商品の名称を表示する行為が商標的に問題があるものか否かについて議論がありました。
本判決は、他人の商品の名称を表示した上で、自作の商品を反復継続して販売していたという事案であり、インターネット上の商標の使用をめぐるこれまでの裁判例からかけ離れたものではありません。
他人の登録商標を利用して(他人の商標の業務上信用力にフリーライドして)、その他人の商品以外の商品の購入を誘引する行為が商標権侵害になり得ることを再確認したものといえます。
ところで、インターネット上でハッシュタグ「#」に続けて他人の商品の名称を表示する行為が一律に商標権侵害を構成するわけではありません。
商標権侵害を構成するか否かは、商品の出所識別標識としての機能を発揮する行為か、その行為により商標権者の商品と出所の混同を生ずるか(登録商標の出所表示機能・品質保証機能等を侵害するか)など、総合的・具体的に判断すべきことには変わりはありません。

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