飯島国際商標特許事務所
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【商標の使用】商標の「広告的な使用」とは?ブランドを守るための基礎知識

2026-06-08

 

商標法第2条第3項は、商標の「使用」について規定しています。ブランドの価値を正しく守り、適正な競争環境を維持するためには、この「使用」の概念を正しく理解することが不可欠です。本稿では、特にビジネスの現場で重要性が増している「商標の広告的な使用」について、その定義から注意点までを解説します。

1:商標の「広告的な使用」とは
商標法第2条第3項第8号では、広告や取引書類における標章の表示を「使用」として定義しています。
「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」この規定は、広告を通じた商標の露出が、そのブランドに対する「業務上の信用」を蓄積させるという事実に着目したものです。他社が無断でこれにただ乗り(フリーライド)したり、毀損したりする行為を防ぐため、広告への標章掲載も商標権の保護範囲として明確に定められています。
なお、広告代理店が他社のために行う「広告代行サービス」そのものは、第35類に分類される「役務(サービス)」であり、これとは区別される点に留意してください。

2:どこまでが「広告」に含まれるのか
商標法における「広告」の範囲は非常に広く、物理媒体からデジタル媒体まで、視覚的・聴覚的に認識可能なあらゆる手段が含まれます。
・物理媒体:看板、チラシ、パンフレット、街頭のネオンサイン、カレンダー等 ・デジタル媒体:ホームページ、SNS広告、バナー広告、リスティング広告、動画広告等

3:「商品等との関連性」が判断の分かれ目
広告に商標が記載されていれば、すべてが商標法上の「使用」となるわけではありません。法的に保護され、また逆に他社の権利を侵害するかどうかの判断基準となるのは、「その商標が特定の商品や役務を指し示しているか(商品等との関連性)」という点です。
消費者が広告を見た際、その商標が「どの商品・サービスを指しているか」を正しく認識できる文脈にあるかが重要です。単なるデザインとしての装飾や、商品内容と全く関係のない場所へのロゴ掲載などは、商標法上の「使用」とはみなされない場合があります。


4:進化する商標:音によるブランド保護
近年、視覚情報だけでなく「音の商標」の重要性が高まっています。
・音の商標の保護:サウンドロゴなどの「音」も商標登録が可能です。他社が登録した音の商標を無断で広告等で使用すれば、商標権侵害となる恐れがあります。
・音声広告の注意点:音声広告でブランド名を読み上げる行為などは、聴覚を通じて自社の商品・サービスを識別させる目的で使用されるため、広義の「使用」として評価されます。
音声を用いた広告展開においても、他社の商標との抵触には十分な注意が必要です。


5:まとめ:ブランドを守り、適正に活用するために
「広告的な使用」は、ブランドの信用を消費者に伝える最前線です。自社の商標を適切に守り、かつ他社の権利を侵害しないためには、常に「その商標が消費者に自社の商品・サービスを明確に伝えているか」という視点を持つことが不可欠です。
商標戦略や広告の適法性について不安がある場合は、早めに専門家である弁理士等の助言を得ることを推奨いたします。

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