飯島国際商標特許事務所
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「管理に始まり、管理に終わる」(商標管理の重要性)

2021-04-07

「管理に始まり、管理に終わる」
この言葉は弊所が実務上重要視している言葉です。
商標の管理とは、大きく分けて次の3つです。
①権利の保全
②侵害の監視とトラブル対応
③財産的活用

1つ目の「権利の保全」という場合、まず商標権取得後の更新期限の管理が頭に浮かぶのではないでしょうか。
この更新管理を怠ると、商標権の消滅してしまいますので、当然重要な業務です。
これに止まらず、「権利の保全」という場合、「適正な登録商標の使用がなされているか」「権利範囲から外れた商標の使用をしていないか」「普通名称化がなされるような商標の使用方法はないか」「商標権の価値を維持・高めるような商標の使用をしているか」など「生きた商標の状態」を総合的・複眼的にチェックしていくことが含まれます。定期的な健康診断は人が生きていくために大切ですが、商標もその状態を定期的に確認する必要があるのです。そして商標の権利範囲を見直す、また見直し方を知っておくことは大切です。
商標権を取得し、期限を管理するだけですと「万全な」商標の管理といえません。
2つ目の「侵害の監視とトラブル対応」は、とりわけ重要で、法律的な事柄はたくさんありますが、起こり得る侵害のパターンや発覚のパターン、対応を誤った場合のリスクなども予想しながら、商標権者の組織全体で侵害を排除する仕組みを作ることが大切です。この仕組み作りにも、様々なパターンを知っておく必要があります。
3つ目の「財産的活用」ですが、商標権が財産権である以上、移転や使用許諾などが認めれています。その場合、交渉の方法や契約書の内容も当然重要です。

以上の3つの視点は、それぞれ密接に関係し連動していることでもあります。
したがって、「商標の管理」は商標登録をした後に「さぁこれから商標を管理しよう」と思い立つのでは遅いと考えています。商標の採択する初期の段階から商標管理は始まっています。商標権を的確な範囲で取得を目指し、商標権を取得した後も、その価値を維持、継続させるという視点は商標権を取得する前の段階から持つ必要があります。
商標管理者は商標を保護したい商標が使用される範囲や事業内容を十分に把握している必要があるのです。
「管理に始まり、管理に終わる」です。

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