意匠法条約の締結
2024-11-25
意匠法条約が締結されました
2024年11月22日にサウジアラビアのリヤドで意匠法条約が締結されました。
【背景】
意匠を保護するプロセスは国によって異なります。一部の国では意匠は意匠法により保後される場合の他、特許法の下で意匠特許法として保護される場合もあります。
更に各国で上記権利の取得を図るためには、各国ごとの方式に沿った出願が必要でありその出願手続きは国ごとでまちまちです。
そのため、保護を受けたいデザイナー等(特に情報に疎い個人や零細企業等)は各国ごとの方式に沿った出願を行う必要があり、その負担は費用等の点も含め、大きいものがありました。本条約は、出願手続き等に関する統一的な要件を定め、意匠保護の手続きを簡素化し、デザイナーが国内外で意匠保護をより容易かつ迅速、そして低コストで行えるようにすることを目的としています。
【主な内容等】
意匠法条約の主な内容は以下の通りです。
1:出願手続きの統一化
出願時に提出を求められる表示項目や要素の範囲が定められ、意匠保護手続に関し方式について各国ごとの出願を予見することが容易になります。
2:意匠の特定方法の明確化
出願人が出願の際に意匠をどのように表現するか(図面、写真、または知的財産庁が認める場合は動画)を選択できるようにします。
3:複数意匠一括出願制度
一定の条件下で、出願人が複数の意匠を一つの出願に含めることを可能にします。
4:出願日の付与に関する要件を明らかにします
5:期限徒過をした場合の救済
6:意匠更新手続きの統一化
7:公知日から12月間の新規性喪失の例外規定を適用
等
なお、同様の条約として既に、特許(2000年の特許法条約)、商標(1994年の商標法条約、2006年の商標法に関するシンガポール条約)が存在しています。