【国内制度紹介】立体商標の保護
2026-04-28
商標法上の商標とは、文字や図形、記号だけでなく、立体的形状やこれらを組み合わせたもの(標章)を指し、事業者が自らの商品やサービスを他社のものと区別するために使用するものです。
我が国の商標法は、このように視覚的に認識できる文字や立体的形状を広く保護の対象としており、その中でも立体的形状を構成に含むものを「立体商標」と呼びます。
この立体商標として有名な例には、不二家の「ペコちゃん」「ポコちゃん」や、ケンタッキーフライドチキンの「カーネル・サンダース」があります。
これら立体的な人形は、店舗の前で強力な広告塔としての役割を果たしており、私たちはその姿を見かけるだけで、そこで特定のケーキやフライドチキンを購入できることを容易に理解できます。
まさに、立体的な人形そのものがブランドの目印となり、商標としての機能を存分に発揮しているのです。
以前の日本の商標制度では、平面的な文字や図形しか認められていませんでしたが、国際的な知的財産保護の流れを受けて1997年(平成9年)に法改正が行われ、現在の立体商標制度が誕生しました。
この制度により、キャラクター人形だけでなく、コカ・コーラのボトルのような「特徴的な容器の形」や、最近ではコメダ珈琲店のような「特徴的な建物の外観・内装」までもが商標として守られるようになっています。
しかし、立体商標の登録には実務上の難しさも存在します。審査において、単に「ありふれた形状」や「商品の機能を果たすために必要な形状」と判断されると、特定の企業が独占すべきではないとして登録が認められないケースが多いためです。
それでも、ペコちゃんのように長年の使用によって「あの店のキャラクターだ」と広く社会に認識されている場合は、商標法第3条第2項の規定により、非常に強力な権利として認められる可能性が高まります。
立体商標を登録することで、他社が似たような人形を店頭に置いて消費者を混乱させる行為を未然に防ぎ、自社のオリジナリティを法的に保証することができます。





