【ブランド一般】ネット時代におけるブランド戦略(3)~ドメイン名と商標の使用~
2026-05-28
1.はじめに:ドメイン名の役割
ドメイン名はインターネット上の「住所」です。例えば当事務所の「tmiijima.jp」のように、ユーザーがアクセスするための不可欠な識別子です。しかし、現代においてドメイン名は単なる住所以上の価値を持っています。
2.住所から「ブランド」への昇華
ドメイン名がウェブサイトの名称として広く認知されると、それは商標的な機能(出所表示機能)を持ち始めます。
この段階で商標権を有していれば、類似ドメインを悪用する第三者に対し、商標権侵害を根拠として利用停止を求める強力な法的手段を行使できます。
3.「商標権がない」場合の限界:不正競争防止法の壁
商標登録がない場合、不正競争防止法(2条1項19号など)で対抗できるケースもありますが、大きな限界があります。特に、相手側の「転売目的や損害を与える意図(図利加害目的)」を、自社で客観的な証拠とともに立証せねばなりません。これには多大な時間と費用を要し、商標権のような「登録」に基づく迅速な権利行使とは比較にならないほどの労力が必要です。
4.先取りを防ぐ「戦略的防衛」
ドメイン名は「先着順・無審査」の原則であるため、悪意ある第三者に先取りされるリスクが常にあります
そのため、主要なブランド名については、ドメイン名と商標を同時に確保する「防衛的な出願」が鉄則です。
登録商標があれば、他社が類似ドメインを取得した場合でも、不正競争防止法上の「図利加害目的」の立証が容易になり、ドメインの抹消請求を有利に進められる可能性が高まります。
5.まとめ:事後対応から事前防衛へ
不正競争防止法はあくまで「事後の補完的措置」であり、万能ではありません。
ブランドの資産価値を守り、予期せぬトラブルによる機会損失を防ぐためには、商標権をあらかじめ取得しておくことが、最も確実かつ有益な戦略といえます。





