中国で2027年改正商標法施行(主な改正内容)
2026-06-28
この度、中国において商標法の改正が可決され、2027年1月1日より新法が施行されることとなりました。 改正商標法は全9章87条からなります。改正の主な内容は以下の通りです。
【改正の主な変更点】
1:悪意ある商標出願への規制強化等(第9条・第19条)
商標出願には「使用の意思」と「適正な事業範囲」が必須となり、転売目的やビジネスの実態を伴わない大量の買い占めは法的に拒絶されます。
また、詐欺や不正な手段による出願も厳格に禁止されており、これらの規定により商標トロール行為が根本から排除されます。
⑴:第9条
商標の申請・使用には「誠実の原則」が義務付けられ、権利の濫用や他者の正当な利益を害する行為は固く禁じられます。
商標利用者は商品の品質に対して全責任を負うとともに、当局は消費者を欺く行為を根絶するとしています。
【内容】
①:旧来の商標法でも誠実原則への言及はありましたが、今回の改正では「権利を濫用して他者の正当な権利利益を害してはならない」という点がより明確に強調されました。これにより、商標権を他社への攻撃手段(商標トロール)として悪用すること自体が、法的に強く否定される根拠となります。
②:商標を単なる「独占権」として捉えるのではなく、「その商品・サービスの出所と品質を消費者に保証する責任」として位置付けました。
⑵:第19条
【内容】
①:「使用の意思」の義務付け
自己の生産や事業の範囲を明らかに超えた大量の出願や、明らかに使用を目的としない出願は登録が拒絶されます。
②:不正な手段の禁止
詐欺的な手段や、他者の著名なブランドを先取りするような出願は厳格に禁止されます。
③:不正な手段の禁止
詐欺や、その他あらゆる不正な手段を用いた商標出願は、法的に拒絶されます。
2:「動的商標」の登録が可能に(第14条)
これまでは登録が難しいとされていた「動き」や「音」といった動的なブランド要素が、法的に明確な保護対象となりました。 これにより、デジタルコンテンツや動画広告で独自の存在感を放つブランドを、より強固に守ることができるようになります。
3:商標異議申立期間の短縮(第36条) 商標が登録されるまでの間、適正な商標の取得を守るために「異議申立制度」が設けられています。
今回の法改正により、この期間が従来の「3か月」から「2か月」へと短縮されました。
4:周知商標の保護範囲拡大(第21条)
高い知名度を持つ商標に対して、保護範囲がより広範に適用されるよう整備されます。
【内容】
以前から著名商標の模倣に対する禁止規定はありましたが、改正法では、異なる商品や異なるサービスであっても、消費者に「誤認」や「混乱」を招く可能性がある場合には、登録が認められず、かつ使用そのものが禁止されることが明文化されました。
5:商標侵害に対する賠償額(第77条) 侵害者が証拠を隠しても裁判所が提出を強制し、拒否すれば権利者の主張に基づき賠償額を決定できる仕組みが強化されました。
悪質な故意の侵害には最大5倍の懲罰的賠償が科され、損害算定が困難な場合でも最大500万元までの賠償が可能です。これにより、権利者保護と模倣に対する抑止力が大幅に高まりました。
【内容】
⑴:証拠提出の強制力強化
侵害者が帳簿などの証拠を隠した場合、裁判所が提出を命じることができ、それを拒否すれば「権利者(被害側)の主張に基づいて賠償額を決定できる」という、権利者に非常に有利なルールが導入されました。
⑵:懲罰的賠償の明確化
故意かつ悪質な侵害に対し、算出額の1倍〜5倍の賠償を命じる規定が定着し、悪質な模倣者に対する経済的制裁が非常に重くなりました。
⑶:法定賠償額の上限引き上げ
実際の損害額や侵害者の利益が算定しにくい場合でも、裁判所の裁量で最大500万元(約1億円)までの賠償を命じることができ、小規模な侵害であっても一定の抑止力が働くようになりました。





