【ブランド一般】ネット時代におけるブランド戦略(2)~メタタグと商標の使用~
2026-05-19
インターネット時代において、ウェブサイト運営者が直面する極めて重要な法的論点に「メタタグと商標権」の問題があります。
メタタグとは、HTML文書のヘッドタグ内に記述され、検索エンジン等にウェブサイトの概要やキーワードを伝える役割を持つ情報です。
特に「記述メタタグ」と「キーワードメタタグ」の二つは、商標権侵害の判断において核心的な役割を果たします。
キーワードメタタグは、<meta name=”keyword” content=”…”>のように記述し、検索キーワードを指定するためのものですが、ソース表示機能を用いない限り一般のユーザーの目に触れることはありません。
そのため、多くの裁判例ではユーザーへの視認性がないことを理由に、商標法上の「商標の使用」には当たらないと判断される傾向にあります。
しかし、学説では肯定説と否定説が分かれており、法的な解釈には依然として慎重な姿勢が求められます。
一方、検索結果画面で説明文として表示される記述メタタグについては、その評価が大きく異なります。裁判所は、検索結果を通じてユーザーに視認される態様での標章使用を、役務に関する広告を内容とする情報提供とみなし、商標法上の「商標の使用」に該当すると判示してきました。
この判断を決定づけた重要な判例が、大阪地判平成17年12月8日「くるま(中古車)の110番事件」です。
本件で裁判所は、記述メタタグへの商標記載が検索エンジンを通じてユーザーの目に触れる以上、需要者に視認させる行為と同視できると判断し、商標権侵害を認定しました。
また、東京地判令和元年5月23日等の「ブロマガ事件」においても、ディスクリプションメタタグへの商標記載がユーザーのアクセスを誘引し、出所識別機能を果たす「商標的使用」に該当するとして、商標権侵害が肯定されています。
これらの判例が示す通り、記述メタタグの内容は検索結果という「広告の場」においてブランドの出所を明示する手段として機能しているため、商標権侵害の法的リスクは極めて高いといえます。 こうした状況を踏まえると、ネット時代におけるウェブ運用では、SEO(検索エンジン最適化)対策のつもりで行った行為が、予期せぬ場面で商標権侵害として断罪されるリスクを十分に想定しておく必要があります。





