2026年7月に特許庁より公表された「特許行政年次報告書2026年版」(商標についてのまとめ)
2026-08-03
2026年7月に特許庁より公表された「特許行政年次報告書2026年版」によると、2025年の商標登録出願件数は前年から増加に転じ、企業のブランド保護に対する積極的な姿勢が改めて浮き彫りになりました。
1. 2025年の商標登録出願は増加へ転換
2025年の商標登録の総出願件数は168,114件となり、前年(158,792件)から増加に転じました。コロナ禍以降の変動を経て、国内における知的財産やブランド戦略への投資意欲が再び活発化していることが伺えます。
2. 海外からの出願件数・国際動向の注目ポイント
- 海外に目を向けると、中国の商標出願規模は依然として突出しており、2024年の中国国家知識産権局(CNIPA)への出願区分数は約697万区分に達しています。近年は緩やかな減少傾向が見られるものの、他国と比較して非常に大きな市場であることに変わりはありません。一方、2024年には米国、欧州、韓国などでも商標出願が回復・増加する動きが見られ、米国は約59万区分、EUIPOは約18万件、韓国は約25.5万件となっています。
- 日本企業の海外出願においては、中国(約1.88万区分)と米国(約7,559区分)が主要な出願先となっています。
3. 審査の迅速化と高い登録査定率
特許庁による審査の効率化・体制強化の取り組みにより、審査スピードはさらに向上しています。
- 審査期間の短縮:一次審査通知までの期間(FA期間)は平均6.6か月、出願から権利化までの期間は平均7.5か月となり、いずれも前年度より短縮されました。
-
登録査定率:2025年の商標審査における登録査定率は87.5%となっています。 審査期間が短縮され、スムーズに権利化しやすい環境が整いつつあるものの、国内外の先行商標とのバッティングを避けるためには、出願前の入念なスクリーニングが成功の鍵を握ります。
4. 代理人(弁理士)の活用状況
国際商標登録出願等を除く国内出願において、出願人自身が手続きを行う「本人出願」の割合は全体の約4分の1(2025年は24.6%)となっています。残りの約75%については、専門家である弁理士を通じて代理出願されており、複雑化する国内外の権利関係や指定商品の適切な選定を行うために、専門的サポートを頼るケースが主流となっています。





