第22回意匠制度小委員会の検討(メタバース時代のデザイン保護)
2026-09-12
仮想空間におけるデザインの意匠保護に向けた最新動向(第22回意匠制度小委員会)特許庁の産業構造審議会知的財産分科会 第22回意匠制度小委員会が令和8年7月29日に開催され、「仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方について」本格的な議論が行われました。
近年のVR技術の発展や仮想空間ビジネスの急速な拡大に伴い、これまでのヒアリング結果をもとにした各論点の分析と今後の検討方向性が示されています。
1:保護対象の見直し:物品・建築物への限定解除
これまでの議論では、仮想空間における3Dモデルなどのデザインを保護する対象を、現実の「物品及び建築物」に限定する方向で検討が進められてきました。
しかし、実態調査を進める中で、アバターや空間などは従来の定義に直ちに該当させにくく、クリエイターや企業が抱える法的保護のニーズを十分に捉えきれていないという課題が浮き彫りになりました。
そのため、今後は画像として表される対象を物品及び建築物に限定しない方向性も含めて、柔軟に再検討すべきだという議論がなされています。
2:意匠の類否判断:中間的アプローチの導入と課題
意匠の類否判断においても、新たなアプローチの検討が行われています。
⑴ 仮想物品等の用途や機能まで含めて判断する「A案」は権利範囲が過度に狭くなり実効性が乏しくなるおそれがあり、逆に形状のみで判断する「B案」は異なる目的のモデルまで含まれてクリアランス調査の負担が膨大になるという課題が指摘されてきました。
⑵これらを克服するため、現実世界とは異なる仮想空間の特性に鑑み、3Dモデルに基づく画像が「どのようなサービスにおいてどのような用途・機能を果たしているか」に着目する中間的なアプローチが提示され、バランスの取れた妥当な方向性としておおむね賛同を得ています。
ただし、実務上の予測可能性を担保するための「サービスの粒度」の設定や具体的な認定基準については、引き続き慎重な議論が求められています。
3:実施行為の範囲と各段階における論点
意匠権の効力が及ぶ「実施行為」の範囲についても、制作・流通・使用の各段階に応じたきめ細かな整理が進められています。
練習やアイデア出しなどの制作行為に対しては、権利効力を及ぼすことに消極的な意見が多く、特許法の「試験または研究」に準ずる除外規定の検討余地が指摘されています。一方で、プラットフォーム等を通じた第三者への提供といった流通段階の行為には概ね積極的な意見が見られるものの、ゲームやアニメ制作で活用されるモデルや、空間等に組み込まれる使用段階の要素については、空間内での貢献度や使われ方を考慮した慎重な判断が必要とされています。
4:今後の予定
現行の画像意匠(操作画像・表示画像)の保護枠組みの再整理も含め、具体的な制度のあり方は2026年秋頃の次回開催を目処に調整が行われています





