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海外:意匠

中国専利法実施細則(意匠法特有部分)の説明

2024-01-29

中国では専利法実施細則の改正により意匠に関する部分の改正及び新設がなされました。新専利法実施細則は1月20日に施行となっています。

1:評価書の請求権者の拡大
中国では実用新案及び意匠に関しては日本の実用新案法の基礎的審査にあたる簡易な審査がなされます。その審査では登録要件全てをみませんので、我が国の実用新案法と同様、評価書の請求ができます。従来は評価書の請求権者は、専利権者と利害関係者のみが請求できるとされていました。
今回の改正指南では、「専利権者、利害関係者及び侵害と訴えられた者」はCNIPAに実用新案又は意匠権評価報告書の発行を請求することができる(専利法実施規則62条1項)。
「出願人は専利権登録手続きを行う際、国務院専利行政部門に専利権評価報告書の発行を請求することができる。」とされ、侵害と訴えられた者及び出願人も評価書の請求ができるようになりました(専利法実施規則62条1項)。
また「出願人が専利権登録手続きを行う際に専利権評価報告書の発行を請求した場合、国務院専利行政部門は専利権付与の公告日から2ヶ月以内に専利権評価報告書を作成しなければならない。」との規定が新設されました(専利法実施細則63条1項)

2:部分意匠制度の詳細な規定の新設
第四次改正専利法においては、部分意匠(部分外観設計)の制度が導入されました(専利法第2条第4項)。部分意匠(部分外観設計)の出願は改正専利法の施行日(2021年6月1日)から出願できるようになりましたが、実施細則の改正はなかなか確定されず、実務上、出願書類の記載方法等について判断に迷うことがありました。今回の実施細則の改正により、部分意匠(部分外観設計)出願に関する規定が明確に定められました。
改正実施細則には部分意匠の特定に関しては以下の規定が新たに設けられました。
・部分意匠出願は、全体製品の図面を提出しなければならず、また破線と実線の組み合わせ、またはその他の手段で、保護を求める内容を示さなければならない。
・部分意匠を出願する場合、保護を求める部分を概要説明に記載しなければならないが、既に製品全体の図面で破線と実線の組み合わせにより明記されている場合は除く(改正実施細則30条、31条)。

3:審査遅延制度の明確化
中国には秘密意匠制度がありません。また中国意匠は実体審査がなされず登録がなされますので、出願後6月くらいで登録後公告になってしまい、公表の時期と販売の時期との調整を担保できる制度として2019年の審査指南の改正で審査遅延制度が導入されました。
今回の実施細則改正では、「出願人は発明と外観設計出願について、遅延審査請求を行うことができる」と実施細則第56条第2項で明確に規定されました。

4:基礎的要件の審査事項の追加
中国意匠法では実態審査を行なわない、いわゆる無審査登録主義を採用していますが、全く審査をしないわけではなく、我が国の実用新案法の基礎的要件に相当する審査を行います。その審査内容は従来の明らかな新規性かあるか否かの他に、意匠出願が先行設計に比べて明らかな区別があるかどうかを審査する点が追加されました

5:意匠(外観設計)国際登録ハーグ協定への加盟
第四次専利法改正では、ハーグ協定への加盟を念頭に、意匠(外観設計)の権利存続期間が従来の「出願日から10年」から1「出願日から15年」に改正されました(専利法第42条第1項)。

中国では、ハーグ協定は既に2022年5月5日から中国で発効しています。
今回の実施細則改正では、第12章を新たに設け、「意匠(外観設計)国際出願に関する特別規定」を定めています(実施細則第136条から第144条)。

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