海外：お知らせ
ベトナムが工業所有権の行政処分に関する新たな通達を発行しました
2024-11-21
2024年9月30日、ベトナム科学技術省は、2015年6月26日付の通達の一部を修正・補足する通達06を公布しました。2024年11月15日に発効する通達06の注目すべき改正の一部を以下に示します。
１：追加制裁措置の明確化
新たな通達では、事業活動の停止等の制裁は、1カ月から3カ月間の生産、取引、またはサービス活動の全面的または部分的な停止である点が明確化されました。
２：ドメイン名紛争対策
サイバースクワッターに対する執行措置中に、ブランド所有者がドメイン名の登録を一時的に保留する手順を規定しています。ドメイン登録機関等と執行機関との協力が強化されます。
３ ドメイン名に関する不正競争
この通達は、登録商標と同一または紛らわしいほど類似しているドメイン名での不公正競争を証明する方法を定めています。但し、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の下でベトナムが遵守を義務付けられているドメイン名紛争解決のための統一ドメイン名紛争解決方針(UDRP)メカニズムと完全には一致していません。特に、紛争が発生した場合にドメイン名を商標権者に譲渡する仕組みが今回の通達には盛り込まれていません。
３：知的財産保護の表示の免除
通達では、ベトナムでの知的財産の登録状況を示すサブラベルが含まれている場合、知的財産保護記号（「保護された商標」、「P」、「特許」等)の使用に対する制裁を免除しています。これにより、ベトナムで登録がなされていない場合には、そのような表記を付さずとも税関によって罰則が科されることがなくなりました。これにより、新たな通達に基づく新たな免除により、制裁の対象となるケースが減少する可能性があります。
４：書面による商標ライセンス契約:
通達では、商品にライセンスされた商標を使用するための正式な商標ライセンス契約を締結することを義務付けています。同意書、権限書、または同様の文書は、商標ライセンス契約とは見なされず、制裁を回避するには不十分であると規定されています。
但し、その具体的内容は今後の各機関での判断によるところがあり、明確化されていない状況です。