海外:意匠法
台湾で意匠法改正へ
2024-11-21
台湾知的財産局は本年9月11日に専利法一部改正案を公布し、同年11月4日に公聴会を開催しました。その中に意匠法の一部改正が含まれています。
同改正は、デジタルテクノロジーによる画像意匠や産業界のニーズ及び国際的な趨勢に対応することからなされます。
改正の主な事項は以下の通りです。
1:意匠特許保護の対象としてデジタル技術による画像デザインの利用を拡大し、「物品」への画像デザインの適用制限を緩和し、その実施を明確化する。
【改正の概要】
現行の台湾意匠法では、物品に応用するコンピューター作成アイコン及びグラフィカルユーザインターフェースも、本法により出願し、意匠登録を受けることができる。(台湾専利法121条)とされ、画像デザインは物品の一部としてのみ保護されてきました。
改正では物品要件を緩和し、画像の物品制限を削除し、かつコンピュータプログラム又はその他のデジタルテクノロジーにより生成される画像(一般の非コンピュータデジタルにより生成されている図案でない)であることが規定されます。
2:新規性喪失の例外規定のグレースピリオドの延長
現行のグレースピリオドは公知日から6月以内(台湾意匠法122条)ですが、この期間を1年以内へと延長します。
3:分割出願の時期の緩和
現行の出願分割の時期は、初審又は再審段階の審査係属中に行わなければならず(台湾意匠法130条)、登録査定後には出願分割を行うことはできませんでした。
今改正では、初審又は再審で登録査定を受けた後、3カ月以内にも分割出願することができるようになります。
4:複数一括出願制度の採択
意匠出願については、一意匠一出願の制度(台湾意匠法129条)で、類似関係の意匠相互については関連意匠(台湾意匠法127条)制度を利用できます。今改正では、米国等の例を参考に、関連意匠制度を残し、類似する意匠については一出願にまとめて本意匠・類似意匠として登録する制度を採用することとされています。これにより、1)複数意匠一括出願、2)関連意匠出願という2つの選択肢(ツートラック方式)を提供することになります。
なお、詳細については台湾知的財産局の詳細が判明次第、更に掲載いたします。