海外：商標法
韓国で懲罰的損害賠償が商標でも３倍から５倍に改正へ
2025-01-10
韓国国会で商標法の改正案が2024年12月27日に可決されました。
これにより、商標権及専用使用権の懲罰的損害賠償額の上限が、3倍から5倍に引き上げられることになりました（改正110条7項）。
韓国では、2024年08月に施行された特許法及び実用新案法、不正競争防止法の懲罰的損害賠償額を3倍から5倍に引き上げた改正が行われていました。
今般、商標権及び専用使用権に対しても同一の水準としたものです。
5倍の懲罰的補償は、主要国と比較して最高水準です。主要な外国では、日本には商標権や意匠権侵害に対する懲罰的損害賠償制度がなく、アメリカでは意匠権侵害に対する懲罰的損害賠償が最大3回まで認められており、商標権侵害に対する懲罰的損害賠償制度はありません。現時点では中国が最大5倍の損害賠償を支払うことができる唯一の国です。
【背景】
現行法では、健全なビジネス秩序を維持するために商標権や専用使用権の侵害を防止し、故意に侵害が認められた場合には、裁判所が損害賠償額の3倍を超えない範囲で賠償額を決定することを認めています。
しかし、商標権者が損害を被ったとしても、商標権侵害による損害の立証が難しいため、紛争の社会的コストが増大し、類似の商標出願や訴訟を通じて商標権者が損害を被るなど、実際の損害賠償が達成できないという指摘がなされています。
https://likms.assembly.go.kr/bill/billDetail.do?billId=PRC_P2S4C1J1U2Z7B1N0Z0D1T4G1J9B9B3（韓国国会）
改正案は2025年01月21日に公布され、2025年07月21日に施行される予定です。