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海外:意匠法ガイドライン

中国で複数意匠特許出願ガイドラインが公表されました

2025-11-04

国家知識産権局(CNIPA)は、10月31日、「複数意匠特許出願ガイド」を公示されました。
このガイドでは主として、合案申請について明記されています。

中国では意匠出願の原則は「一件一意匠」ですが、以下の2つのケースに限り、複数の意匠を一つの出願としてまとめて申請できます(合案申請)。
これは我が国の「関連意匠制度」と「組物請制度」と似ていますが、いくつかの点で異なるものがあります。

【第一章 合案申請の基本ルール】
意匠出願の原則は「一件一意匠」ですが、以下の2つのケースに限り、複数の意匠を一つの出願としてまとめて申請できます(合案申請)。
→我国はそれぞれ別々の意匠として出願をする必要がありますが、中国ではこれを1件でまとめて出願することができます。
⑴ 同一製品の複数の類似意匠(バリエーション) → 我国の関連意匠に近い
⑵ 組物製品(セット製品)の意匠 → 我国に組物の意匠に近い

【第二章 構成部品の製品の意匠申請(我国の組物の意匠に相当)】
複数の部品からなる製品は、部品単体ではなく、結合して機能する「全体」を一つの意匠として扱うことができます。
⑴ 同一カテゴリー:国際分類表の同一大類に属すること。
⑵ セットとして販売または使用される慣習があること。
⑶ 各製品のデザインが、形状・パターン・色彩などで統一されたコンセプトを持っていること

【第三章 同一製品の複数の類似意匠の合案申請(我が国の関連意匠制度に相当)】
類似する意匠を合案申請するには、以下の条件を満たす必要があります。
⑴ 同一製品であること
製品の名称と用途が完全に同じであること。
→我国のような類似する物品相互に関連意匠を認めることはできません。
→我が国のように連鎖的関連を認めることはできません。
⑵ 相互に類似する意匠であること
→基本意匠と比べて、全体的な視覚効果に大きな差異がないことが必要です。
⑶1件の出願書類の中に、10件までまとめて関連意匠の出願が認められます。
→ 我国のように別々の出願として関連意匠の出願ができるというものとは異なります。
→ 1件の意匠出願で1件の意匠権として権利が生じます。

【第五章 局部意匠(部分意匠)の合案申請】
製品の一部分を保護する局部意匠も、合案申請が可能です。
中国では2021年の意匠法改正により部分意匠制度が導入されました。概ね日本と同じ制度になりますが、日本では物品の名称を願書に記載するのみでたりますが、中国で保護を求める部位についての名称も要求します。
部分意匠についても、原則、「1意匠1出願」ですが、例外的に以下の要件で合案申請をすることができます。
⑴ 機能的な関連性(例:左右のイヤホン)
⑵ デザイン上の関連性(例:対称のマウスボタン)
→同一製品内で類似する部分意匠意匠であれば、合案申請が可能です。

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