海外:著作権法
インドネシアで著作権法改正の法案提出へ
2026-07-07
インドネシア政府は、デジタル経済の急激な進展と人工知能技術の普及に適合させるため、2014年著作権法(2014年第28号法)の抜本的な見直しを行う法案を正式に提出しました。この改正案は、テクノロジーの進歩と知的財産保護のバランスを再定義し、公正で透明性の高いデジタル市場の基盤を築くことを目指しています。
改正法案は以下の4点を大きな柱としています。
1:AI生成物の権利帰属
本改正案における最大の焦点は、AI生成物の権利保護です。政府は「人間の関与」の度合いに応じた段階的な評価基準を導入します。
十分な人間の創作指導を経て生成された作品については著作権保護の対象と認めます。
一方で、人間の関与が最小限で自律的に生成された作品については、隣接権に近い「関連権利」としての保護を適用します。
これにより、AI利活用における法的曖昧さが大幅に解消される見通しです。
2:保護範囲
保護の対象範囲も現代のデジタル経済の実態に合わせて大きく拡大されます。電子書籍やブログといった従来のデジタルコンテンツに加え、デジタルアート、仮想・拡張現実(VR/AR)作品、さらにはブロックチェーンベースのメディアも明示的に著作権法上の保護対象に含まれることになります。特に注目すべきは非代替性トークン(NFT)の扱いで、法案は「NFTの購入は真正性証明書としての機能を果たすものの、それだけで著作権が自動的に譲渡されるわけではない」ことを明記し、権利関係の整理を促しています。
3:デジタル仲介プラットフォームの責任範囲についての明確化
デジタル仲介プラットフォームの責任範囲についても明確化が図られます。
ユーザー生成コンテンに起因する著作権侵害に対し、プラットフォームには適正な通知・削除制度の運用が義務付けられます。具体的には、侵害コンテンツの迅速な識別、削除申請に対する厳格な記録管理、および定期的な報告体制の構築が求められます。
4:ロイヤリティ徴収制度の改革
ロイヤリティ徴収制度の改革にも着手し、新たに設置される「全国集団管理委員会」の監督下で既存の集団管理組織を再編成し、デジタルプラットフォームに対しては、使用データに基づく厳格な報告と適正なロイヤリティ決済を義務付けます





