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海外:意匠法

インドでデザイン(意匠)保護と国際調和へ向けた「2000年デザイン法」改正案

2026-10-12

インドの産業・国内貿易振興省(DPIIT)は2026年1月、インドにおけるデザイン(意匠)保護体制の近代化を目的とした概念文書を公表し、現行の「2000年デザイン法」に対する包括的な改正案を提示しました。

本改正案は、技術革新に伴うデジタル空間でのデザイン保護や出願手続きの柔軟化を推進し、「リヤド意匠法条約(DLT)」および「ハーグ協定」をはじめとする国際的な知的財産枠組みとインド法を調和させることを目指しています。

1.デジタルデザインの保護拡大と著作権法との調整
これまでの法律では、保護される「デザイン」は形のある製品(家具や家電、衣類など)に限られており、アプリの画面やアイコンなどの目に見えないデジタルデザインを守れるのかがあいまいでした。
今回の改正案では、スマホの画面デザイン、アイコン、アニメーション、画面が切り替わる際のエフェクトなども正式に保護対象として追加されます。
これにより、デジタル製品のデザインも安心して権利主張できるようになります。

現行の著作権法では、「デザインとして登録できるのに登録しないまま、工場などで50回以上大量生産されたもの」は著作権がなくなってしまうというルールがありました。そのため、未登録デザインが無防備になるという問題が生じていました。
そこで今回の改正案では、登録していないデザインであっても、一定期間(例えば15年間)は著作権で守るという仕組みが提案されています。デザインの横取りを防ぎつつ、長期間の権利独占も防ぐ、バランスの良いルール作りを目指しています。

2. 出願手続きの柔軟化と申請者の負担軽減
⑴発表後でも1年以内なら申請可能(グレースピリオドの導入)
今までのルールでは、製品を発売・公表した後にデザイン登録を申請すると「すでに世に出ているもの」とみなされ、原則として認められませんでした。
新しいルールでは、公開してから12か月以内であれば、新規性喪失の例外として救済されます
⑵発売までデザインを秘密にできる(公表延期制度)
申請するとすぐにデザインが一般公開されてしまう現行制度に対し、新案では最長30か月間(2年半)公開を遅らせる「公表延期制度」が導入されます。
⑶1回の申請で複数のデザインをまとめて出願可能に
これまでは1つのデザインごとに申請する必要がありましたが、同じカテゴリーであれば複数のバリエーションを一括で申請できるようになります。手続きの手間やコストが大幅に削減されます。


3. 国際枠組みとの調和
⑴ 権利の更新が柔軟に(最大15年)
これまでは「最初に10年+延長5年=合計15年」という更新ルールでした。これが「5年+5年+5年」と、5年単位で3段階に分けて更新できる仕組みに変わります。
⑵海外からの申請手続きがスムーズに
デザインに関する国際的な条約(リヤド意匠法条約やハーグ協定)に対応した仕組みが取り入れられます。手続きの遅れに対する救済措置なども整えられ、インド国外からの出願や管理がよりスムーズになります。

⒋権利執行の強化
これまでの法律では、デザインを侵害された際の補償金の上限が低く(最大5万ルピー=数万円〜十数万円程度)、被害額の証明も難しかったため、悪質なパクリ行為を抑えきれない問題がありました。
そこで、被害額を具体的に証明できなくても一定の賠償金を請求できる「法定損害賠償制度」の導入が検討されています。

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